データで斬る!2026年後期等級審査ボーダーライン分析と全選手ヒストグラム公開
先日公開した2026年後期等級審査 結果まとめでは、毒島誠選手のA1復帰や若手の初昇格を中心に注目選手を振り返りました。今回はその「続編」として、審査データをPythonで定量的に分析します。
ボーダーラインが過去と比べてどう推移しているか、全選手の勝率はどのような分布を描いているか。ヒストグラム・箱ひげ図・散布図を使って可視化し、データ分析好きの読者向けに分析コードとCSVデータも公開します。
2026年後期のボーダーライン
今期の確定ボーダーは以下の通りです。
| 等級 | ボーダー勝率 |
|---|---|
| A1 | 6.27 |
| A2 | 5.46 |
A1ボーダーの 6.27 は、近年の中では高い水準です。過去8期(2023年前期〜2026年後期)の推移を見てみましょう。

A1ボーダーは2023〜2025年前期にかけて 6.18〜6.22 の範囲で横ばいが続いていましたが、2025年後期(6.26)→ 2026年前期(6.24)→ 2026年後期(6.27) と、直近3期で明確な上昇傾向に入っています。「上がりつつある」と言い切ってよい水準で、A1圏内の競争が以前より厳しくなっていることを裏付けています。
一方、A2ボーダーは 5.46 で前期(5.47)とほぼ横ばい。A2帯は競争が安定していることがうかがえます。
全選手 勝率ヒストグラム
現役登録選手(約1,600名)の審査期間中の勝率をヒストグラムにしました。等級ごとに色を分けています。

見どころを3点挙げます。
① B1が最も人数の多い等級
ボートレーサーの過半数がB1等級に集中しており、勝率4〜5台が選手層の"主役"です。グラフからも、青(B1)が4.0〜5.0付近でなだらかな山を描いていることがわかります。
② A2帯の分布が極めて狭い
A2(ゴールド)の分布は 5.46〜6.26 のわずか 0.8の幅に密集しており、箱が細長いのが特徴的です。A2帯は"狭き門"であり、0.01の勝率差が等級を決める激戦区です。
③ A1上位は右にロングテール
A1(赤)は 6.27 以上に広く分布し、毒島誠選手(8.24)など突出した選手が右端に位置します。「A1の中にも実力差がある」ことがヒストグラムで一目瞭然です。
等級別 勝率 箱ひげ図
等級ごとの勝率の「ばらつき」を箱ひげ図で比較します。

| 等級 | 中央値(勝率) | 四分位範囲(IQR) |
|---|---|---|
| A1 | 約 7.00 | 約 0.80 |
| A2 | 約 5.76 | 約 0.30 |
| B1 | 約 4.51 | 約 1.20 |
| B2 | 約 3.90 | 約 0.80 |
A2が最もIQRが小さい(選手間の差が小さい)のは興味深い点です。ボーダー付近でひしめくA2帯では、0.1の差を埋めるのが大変であることが数字からも見えてきます。
一方でB1のIQRは最大で、「上位B1(A2目前)」と「下位B1(B2目前)」の間に大きな実力差があることを示しています。
勝率 vs 2連対率 散布図
勝率(1着率を重みづけした指標)と2連対率(2着以内に入る割合)の関係を見てみましょう。

勝率と2連対率には強い正の相関があり、当然ながら等級別にきれいに分離しています。ただし、同じ勝率でも2連対率にばらつきがある点が面白い部分です。
たとえば勝率6.5付近のA1選手でも、2連対率が55%の選手と65%の選手がいます。「1着を量産するタイプ」と「コンスタントに連対するタイプ」では、勝率が同じでも戦い方のスタイルが異なります。舟券の購入ストラテジーを考える上でも、勝率だけでなく2連対率の確認が重要です。
事故率の分布
等級と事故率の関係もデータから読み取れます。

A1選手の事故率は低く(0〜0.03台)に集中しているのに対し、B1・B2では右にテールが伸びています。事故率が高い選手は審査点への影響もあり、勝率が高くても等級が下がるケースがある点を覚えておきましょう。
今回の審査では守田俊介選手(3721)が事故率を抑えてボーダーぴったり(6.27)でA1を死守したケースが象徴的でした。
ボーダー際のヒリヒリ感を数字で
今期は 守田俊介選手(6.27)が最低ラインでA1維持、大山千広選手(6.26)がA2止まりというドラマがありました。
改めてA1ボーダー付近(6.20〜6.35)の選手データを表にすると:
| 選手名 | 勝率 | 走数 | 審査結果 |
|---|---|---|---|
| 守田俊介 | 6.27 | 103 | A1維持(ぴったりボーダー) |
| 嶋義信 | 6.28 | 102 | A1昇格 |
| 澤田尚也 | 6.34 | 120 | A1維持 |
| 大山千広 | 6.26 | 91 | A2(0.01不足) |
大山選手の6.26は91走での数字。審査終了時点では「あと1走、あと1着あれば…」という惜しい結果でした。
分析に使ったPythonコード
今回の可視化はPython(matplotlib / seaborn / pandas)で行いました。以下のコードをベースにしています。
import numpy as np
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
import japanize_matplotlib
A1_BORDER = 6.27
A2_BORDER = 5.46
# CSVを読み込んで勝率ヒストグラムを描画する例
df = pd.read_csv("grade2026_2_data.csv")
GRADE_COLORS = {"A1": "#E8502A", "A2": "#F59E0B", "B1": "#3B82F6", "B2": "#6B7280"}
GRADE_ORDER = ["A1", "A2", "B1", "B2"]
fig, ax = plt.subplots(figsize=(10, 5))
bins = np.arange(0.5, 11.0, 0.2)
for grade in GRADE_ORDER:
sub = df[df["等級"] == grade]["勝率"]
ax.hist(sub, bins=bins, alpha=0.65,
color=GRADE_COLORS[grade], label=grade, edgecolor="none")
ax.axvline(A1_BORDER, color="#E8502A", linewidth=1.8,
linestyle="--", label=f"A1ボーダー {A1_BORDER}")
ax.axvline(A2_BORDER, color="#F59E0B", linewidth=1.8,
linestyle="--", label=f"A2ボーダー {A2_BORDER}")
ax.set_xlabel("勝率")
ax.set_ylabel("選手数")
ax.set_title("2026年後期等級審査 — 勝率分布ヒストグラム(等級別)")
ax.legend()
plt.tight_layout()
plt.savefig("grade2026_2_hist_winrate.png", dpi=150, bbox_inches="tight")
箱ひげ図(ax.boxplot)・散布図(ax.scatter)・折れ線グラフ(ax.plot)を組み合わせて使っています。日本語フォントは japanize-matplotlib パッケージで対応しています(pip install japanize-matplotlib)。
CSVデータのダウンロード
今回の分析で使用したデータを公開します。等級・勝率・2連対率・事故率・走数の項目を含む約1,600行のCSVファイルです。
列の説明:
| 列名 | 内容 |
|---|---|
| 前期等級 | 審査前(2026年前期)の等級 |
| 等級 | 今期の審査結果等級 |
| 勝率 | 審査期間中の勝率 |
| 2連対率 | 審査期間中の2連対率(%) |
| 事故率 | 審査期間中の事故率 |
| 走数 | 審査期間中の総走数 |
このCSVを使えば、Rや表計算ソフトでも独自の分析が可能です。ぜひ自分なりの視点でデータを掘り下げてみてください。
まとめ
今期の等級審査を数字でまとめると:
- A1ボーダー 6.27 は過去8期で最高値。A1到達のハードルは着実に上がっている
- A2帯のIQRが最小:0.8の幅に約400名が密集する"熾烈な中間層"
- 勝率と2連対率の相関は強いが、同等勝率でも2連対率にばらつきがある
- B1の幅が最大:B1内の実力差こそが、次期の等級変動のカギを握る
次期(2027年前期)の審査期間は2026年11月〜2027年4月(予定)です。今回ボーダーに泣いた選手たちのリベンジに注目しましょう。
各選手の詳細な成績はボートレーサー名鑑でご確認いただけます。