連続フライングすると来期A1になれないのか?

2023年後期の等級審査期間が始まったばかりの11月10日(木)、4906 鈴木雅希選手がボートレース江戸川で開催の「スカパー!・JLC杯ルーキーシリーズ第20戦」で1日に2回のフライングを切り、即日帰郷となりました。(しかも2回目のFは.07オーバーの非常識なフライング)

1回目のF >>
2回目のF >>
鈴木選手は現在A2級、2023年1月からはB1級の予定ですが、今回の連続Fにより2023年後期もA1級昇格はかなり絶望的となりました。

以前、F3は必ずB2級降格になるけれど、F2はそれだけで降格が決まることがないと書きました。
詳しくは過去記事見てね。↓

F2であれば無条件にA1昇格は難しいというわけではないのですが、今回の鈴木選手のように、フライングを切ってしまった時期によっては次の等級がどうしてもA1級は難しい場合が発生するので解説します。

期末・期初に2連続フライング

まずは5月や11月など新たな等級審査期間が始まったばかりの月に2回フライングをしてしまい、F1の30日休み、F2の60日休みの計90日の休みが等級審査期間に丸々入ってしまう場合です。

等級審査期間は6カ月間。そのうちの90日が休みとなると、実質的に出走できる期間は3カ月間だけとなります。

A1級になるための出走回数は90走。これまで調べた中では1カ月に31走していた選手もいますが、かなり詰め込み、うまく斡旋が入らないと3カ月で90走はかなり難しく、3カ月だけで90走を満たすというのは現実的ではありません。したがって、A1級の維持、昇格は期初の時点で絶望的となります。

同様に、4月、9月など等級審査期間の終わりごろに連続で2回フライングを切った場合、90日間のF休みが次の等級審査期間に丸々入ってしまうので、さらに次の期のA1が難しくなります。

10月末に2回Fした場合のF休みイメージ

5042 畑田 汰一選手4561 藤山翔大選手はこの期末にF2を切ったことで2023年前期の等級審査期間が始まる前に2023年前期はA1級が難しいことが確定していました。

今回の4906 鈴木雅希選手もこのパターンでFを切ったのが11/10、斡旋は12/21まで入っているので12/22~3/26までF休みとなります。2023年後期の等級審査期間は4月末までなのでこの12/21までの斡旋と、2023年4月の約1カ月間で出走数を稼がなくてはいけません。

ちなみに、連続Fであっても、等級審査期間の途中のFで、既に入っている斡旋の関係で90日のF休みがちょうど等級審査期間をまたがることになると、等級審査期間中に90走可能となります

等級審査期間にF休みがまたがるイメージ

また、連続でF2でも10月末に1回、11月初旬に1回というかたちでフライングをした場合、10月と11月で等級審査期間が違うため、10月末で一度フライング回数はリセットされます。そのため、10月のFも11月のFもどちらもF1として30日休み、合計で60日の休みとなり、その後フライングを切らなければ90走には十分な審査期間が残ります。

連続でなくても期中にF2パターン

連続でF2を切らなくても、あまり先まで斡旋が入っておらず、F1の30日休みを終わらせた後で切ったFの60日休みが等級審査期間内に入ってしまうという場合もあります。

選手によりますが2カ月くらい先まで斡旋が入っていることが多いので、このパターンが生じることはあまりないのではないでしょうか。

実際は、F1とF2の期間が空くと下図のようにF2の60日休みが次の等級審査期間とまたがるパターンが多いかと思います。

既にF2休み持ちの選手は誰?

等級審査期間が変わるとフライング回数がリセットされるため、まだ消化しきれていないF休みがある選手は「隠れF」と呼ばれることがあります。

隠れFも含めて、2023年後期の等級審査期間に既に90日のF休みが予定されている選手(つまり23年後期はA1級絶望的)を挙げておきます。

23年後期A1厳しい90日F休みのある選手

選手番号選手名23前期等級22後期等級F1F2F休み期間
3284渡邊伸太郎A2A29/2610/212022/11/7~2023/2/11隠れF2
3687花田和明B1A29/229/232022/11/16~2023/2/13隠れF2
4009小林一樹A2A110/2510/292022/12/13~2023/3/12隠れF2
4512高野哲史A1A110/2010/232022/12/7~2023/3/6隠れF2
4786佐藤博亮A2A110/1110/262022/11/24~2023/2/21隠れF2
4906鈴木雅希B1A211/1011/102022/12/22~2023/3/26F2
4959井上忠政A1A111/311/122022/12/18~2023/3/17F2
5013山下夏鈴B2B110/110/102022/11/16~2023/2/13隠れF2

90日F休みが等級審査期間をまたがる選手

こちらは90日のF休みがあるものの23年前期と後期の等級審査期間にそのF休みがまたがっている選手です。

選手番号選手名23前期等級22後期等級F1F2F休み期間 
3953志道吉和B1B18/219/112022/10/6~2023/1/3期またぎF休み
4497桑原悠A1A17/308/112022/10/8~2023/1/5期またぎF休み
4916中村聡志B2B19/110/112022/10/14~2023/1/17期またぎF休み
4936戸敷晃美A2B29/2710/152022/10/20~2023/1/17期またぎF休み

まとめ

連続フライング、ダメ、絶対。

特に期初、期末はダメ、絶対。

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