2023年5月28日、ボートレース芦屋でSGボートレースオールスターの優勝戦があり、4168 石野貴之選手が優勝しました。
「石野信用金庫」の異名を持つ石野貴之選手は大勝負に強く、SG制覇はこれで10度目。ボートレースオールスターも2017年に次ぐ2度目の優勝です。実力のある選手が準優戦1枠1着から優勝戦も1枠なので石野選手の優勝を確信していたファンも多かったのではないでしょうか。
ここからは今回のボートレースオールスターのトピックスと感想をいくつかポイントに分けて挙げていきます。
倉持莉々選手、SG初優出で3着
今回の優勝戦、期待の目で見られていたのは4825 倉持莉々選手ではないでしょうか。倉持選手は昨年もSGボートレースオールスターに出場していますが、その時は初めてA1級に昇格した期で一般戦も含め優勝経験は1回しかありませんでした。
その後A1級を維持し続け、昨期は女子選手期別勝率1位と実力をつけたものの、まだG1での優出経験がない状態で、今回、女子選手史上5人目のSG優出となりました。
準優勝戦はフライングあり、落水ありの事故レースとなったため決まり手は「差し」だったものの展開に恵まれた感じがありましたが、優勝戦は堂々の3着。しかも地元のベテラン、瓜生正義選手との3着争いデッドヒートを競り勝っての連絡みとなりました。
SG優出を果たした女子選手はこれまでに
3774 横西奏恵 元選手(引退)
3435 寺田千恵選手
4502 遠藤エミ選手
4450 平高奈菜選手
の4人がいますが、昨年ボートレースクラシックで優勝した遠藤エミ選手以外は優勝戦で舟券に絡んでいません。
横西:2回優出し、2回とも6着
寺田:1号艇から5着
遠藤:1号艇から1着
平高:6号艇から6着
倉持:3号艇から3着 ←NEW!
倉持選手、このままSG常連に?
年間8回あるSG戦にはそれぞれ出場資格がありますが、毎年6月に開催されるグランドチャンピオンは出場条件のひとつに「前年SG優勝戦完走者」という項目があります。
今回倉持選手はSG優勝戦で完走しているので、来年同期間にF休みが入ったりするなどの事情がなければ既に来年1つSG出場は約束されたようなものです。また、人気と実力から5月のボートレースオールスターも選出されるでしょう。SGに複数回出場しているとなると獲得賞金も多くなります。そうすると年末のグランプリシリーズ戦や成績によっては11月のチャレンジカップにも出場できる可能性も出てきます。
このSG優出をきっかけに倉持選手はSG常連組の仲間入りを果たすかもしれません。
下條雄太郎選手1年間SG出場停止
今年度からSG、G1の準優戦、優勝戦でのフライングの罰則が強化されましたが、準優勝戦で4352 下條雄太郎選手がフライングを切ってしまいました。下條選手は今後1年間SG戦に出場することができません。なお、G1戦も半年間出場できないのでしばらく一般戦回りとなり、賞金レースから遠ざかってしまいます。
ちなみに、今回は準優戦でのFでしたが、SG優勝戦でのFだと2年間SG戦出場停止となります。
この罰則強化は賛否両論あるようで、確かに売り上げの大きいグレードレースの準優戦、優勝戦でフライングが出ると施行者の売上に大きくかかわりますが、SG常連の選手が2年間もSG出場停止となると、その間に有力選手の勢力図が大きく変わってしまう可能性があります。
賭ける側とすればFは返還されるので、それよりも返還のない妨害、転覆のほうが痛いんだけどな……と思ってしまいます。
末永和也選手、同点で惜しくも予選敗退
今回ボートレースクラシックに続いて2回目のSG出場となった5084 末永和也選手。予選の得点率は6.0と予選突破の指標とされる6点ギリギリまでは得点率を取れていたのですが、なんと今回は6.0の得点率で17位が3選手、同率の選手が複数いる場合より上位着の多い選手から選出されるため、末永選手は今回惜しくも3選手の中で最も優先順位が低くなり、予選突破となりませんでした。
もし末永選手が予選突破していたら登録番号5000番台初のSG準優戦出走となるところでしたが、あと一歩届かず。末永選手の今後の活躍に期待したいです。