強豪ボートレーサーのピーク年齢はいつなのか

最近ボートレースのグレードレースを見ていて思うのです。
・出場している選手、優出している選手が偏っている気がする
・SGに毎回のように出場していても最近予選突破できていない選手もいる
・マスターズは45歳から対象だけど正直若すぎじゃない?

ボートレーサーは現役として活躍できる期間が長いとは言いますが、キャリアのピークはいつなのか、調べてみようと思いました。

今回は、SG戦常連のような特に強い選手について調べたかったので
・過去10年間ずっとA1級をキープしている
・過去10年の中で1回でもSG制覇をしている
という基準で71人の選手で検証しています。なお、SG覇者である定松勇樹選手についてはデビューしてから10年経っていないため除外しています。

検証期間は2009年後期~2024年前期までの約15年間、検証したデータは公式から発表されているレーサー期別成績です。対象選手のうち、2009年以降にデビューの選手はデビュー後の全期間を検証期間としました。

勝率ピークはいつなのか

71人の強豪選手たちがキャリアの中で最も勝率が高かったのは何歳の時なのか?
早速結果から発表しちゃいます。

平均:35歳(中央値も同じ)

なんとなく30代半ばから後半がキャリアのピークなのではないかと予想していたので割と納得できる数字です。ですが、突出して高い年齢や低い年齢に最高勝率の時期がある選手も何人かいました。

50歳台でも勝率8.0超

3159 江口晃生選手は52歳の時の2017年に勝率8.16を記録しており、ここ15年で最も高い勝率です。

江口晃生 選手

ただ、江口選手は今回の検証期間前の2000年に8.21という勝率を記録しており、おそらくその時34歳です。平均35歳ピークにもあっている。

しかしそもそも今年59歳というのも驚きですし、50台で勝率8.0を超えているとかすごすぎませんか?56歳の時にも8.0超の期がありますし、江口選手は2017年以降ずっと勝率7.0超です。A1級って勝率6.2以上くらいのボーダーなのでA1級の中でも超エリート級の高勝率を今でもキープし続けています。

江口選手ほどではないですが、東都のエース、3590 濱野谷憲吾選手は48歳の時に勝率8.10とここ15年で最高勝率を上げています。また、3721 守田俊介選手は45歳の時に勝率8.26、48歳の時に複勝率74.1と15年で最高の勝率、複勝率を上げており、35歳前後の時よりも近年のほうがよい勝率を叩き出しています。

20歳台に高勝率を叩き出していた選手

71人の選手の中で過去15年の最高勝率が20代の選手が2人いました。1人はまだ20代の4831 羽野直也選手なのですがもう一人は現在38歳の4459 片岡雅裕選手です。片岡選手については近年立て続けに2回SG制覇していることもあり、もしかしたらまだこれから江口選手のような2度目のピークを迎えるのかもしれません。

最高勝率は30歳を超えてからだけれど、20代で勝率8.0以上を記録している選手も何人かおり、4444 桐生順平選手は26歳の時に勝率8.01、4350 篠崎元志選手は27歳の時に8.13、4320 峰竜太選手も26歳の時に勝率8.12を叩き出しています。

ピークは一時のものなのか

今回、過去15年の期別の勝率、複勝率、1着数、優勝回数を選手ごとに比較してみたのですが、勝率はずっと高いままで一番高い勝率に近い勝率をずっと出し続けている選手や、最高勝率を出した時期とその他の基準がよい時期がばらばらである選手が多数いて、1つのピークに向かってキャリアの最高値が収束しているわけではなさそうでした。

なんとなく15年ずっと好成績な選手

3897 白井英治選手

白井 英治 選手

最高勝率は平均と同じ35歳の時なのですが、複勝率や1着数は46歳の時です。この46歳の時の勝率も8.58とめちゃ高で、15年間ずっと強いです。

3941 池田浩二選手

池田 浩二 選手

常滑のスーパースターも32歳の時に最高勝率ですが、複勝率、1着数は44歳の時で、優勝回数も40代に入ってからのほうがコンスタントに半年で複数回優勝を重ねています。

成績が突出した年がある選手

SG制覇していたり、10年もA1級をキープしていればどの選手もだいたいずっと成績は良いのですが、その中でもピンポイントで成績が良い年があったり、勝率だけではなくすべての指標の最高値が一つの時期にかたまっている選手もいました。

まずは先ほどの3159 江口晃生選手。基本的にずっと成績は良いのですが、52歳の時がここ15年で勝率、複勝率、1着数、優勝回数全て最高となっていました。キャリアのピークが34歳頃と52歳頃と2回やってきていると言えるのではないでしょうか。

4075 中野次郎選手は30歳の時に勝率、複勝率、1着数、優勝回数全て最高となっており、ずいぶん早いキャリアハイです。中野選手は全現役選手の中でデビューから最も早くA1昇格している選手なのでピークも早かったのですかね。とはいえ、近年も強い選手ではあるのですが。

中野 次郎 選手


4362 土屋智則選手は今がピークか?38歳だった昨年が全指標最高となっています。2023年、2024年と2年連続SG優勝しているので今が最も強い状態なのかもしれません。

土屋 智則 選手

4524 深谷知博選手も30歳の時に全指標最高となっています。ただ、深谷選手はまだ36歳。35歳だった2023年にもSG優勝を果たしているので30歳をピークに下がってきているのではなく30歳から強い状態が続いているようです。

深谷 知博 選手

まとめ

強豪選手の指標の平均や中央値だけを見ると30代半ばが強いと言えます。

ただ、選手によってピーク状態が長く続く人とそうでない人がいそうなこと、40代後半や50代でも突出した成績を残す選手もいます。40代、50代だからと言って年代で落ち目とは判断できないということもわかりました。

実は人気選手の峰竜太選手は絶頂期に出場停止処分を受け(内容的には自業自得とは思いますが)キャリアのピークでの活躍を逃してしまったのではないかと勝手に心配していました。しかし峰選手もまだ39歳。40代に入ってからの活躍も期待したいと思います。

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