もう1年の半分が終わろうとしている6月。もうすぐSGボートレースメモリアルですね。そんな中、6月18日に昨年の賞金王、毒島誠選手が今期2回目のフライングを切りB2級降格濃厚というニュースが出ました。Yahoo!ニュースにも取り上げられており、SG常連で昨年の賞金王、さらに最近ボートレース界でその名を轟かせているタレント福留光帆さんも好きな選手と公言する毒島誠選手のフライングは業界的にはとても大きな話題となりました。
私もとても強いけどヤンキーっぽくなくて関東勢の毒島選手が好きなので「本当に本当にB2降格しちゃうの?F3なら絶対だけどF2で?自分で確かめなければ信じられない!」と思って調べてみました。
以前F3なら必ずB2降格するという記事を書いたのですが、そこからフライングの罰則や等級審査の条件が変わっているので、まずは最新のルールのおさらいから必要です。
フライング回数によるF休み期間
まずはフライング回数によるあっせん除外、いわゆるF休み期間です。
F回数 | F休み期間 | 合計 | 非常識なFの場合 |
1回 | 30日 | 35日 | |
2回 | 60日 | 90日 | 65日 |
3回 | 90日 | 180日 | 95日 |
F休みは累積になるので、短期間に2回フライングした場合、1回目の30日と2回目の60日両方の休みを消化する必要があり、結果的に90日の休みを取る必要があります。1回目と2回目のフライングを切った日が離れている場合、先に1本目の30日休みを消化していれば2本目の後の休みは60日だけですみます。
また、2022年5月から0.05秒以上のフライングである「非常識なF」の場合はさらに5日間の休みが加算されます。あまりないと思いますが、1回目と2回目両方非常識なFの場合、合計100日の休みが必要となります。
フライングによる事故点
フライングを切ると事故点が付きます。事故率(累積事故点÷出走回数)が高いと出られないレースがあったり、等級審査にも影響します。具体的には等級審査期間中で事故率0.7以上だと勝率や出走回数にかかわらずB2、1.0以上だと半年間あっせん停止です。
フライングの事故点は2025年5月から改定になり、より厳しくなりました。
F | 事故点 | 備考 |
1回目のF | 20点 | (変更なし) |
2回目以降のF | 30点 | 旧20点 |
優勝戦でのF | 30点 | (変更なし) |
優勝戦での2本目以降のF | 50点 | 旧30点 |
事故点はフライングのほかに
妨害失格:15点
選手責任の失格・欠場:10点
不良走行・待機行動違反:2点
があります。
優勝戦関係なくF2になると事故点は50点のなります。F3だと80点となるので事故点0.7どころか1.0を超えてしまうのでは…?
グレードレースでのフライング
今回の毒島選手のフライングとは関係ありませんが、近年グレードレースの準優戦、優勝戦での罰則が厳しくなったのでこちらも改めてまとめておきます。
レース種別 | あっせん除外 | 備考 |
SG優勝戦 | 2年間SG除外 | F休みあり、G1は出られる |
SG準優戦 | 1年間SG除外 | F休みあり、G1は出られる |
G1優勝戦 | 1年間G1、G2除外 | F休みあり、SGは出られる |
G1準優戦 | 半年間G1、G2除外 | F休みあり、SGは出られる |
守屋美穂選手が最近レディースオールスター等のグレードレースに出ていないのはこの罰則が理由ですね。フライングによるあっせん停止期間は通常のフライングと同じくかかるので、それが1回目なら30日、2回目なら60日のF休みがグレードレースの除外と合わせて課されます。
等級審査の適用出走数
等級審査には勝率だけでなく各等級ごとに定められた最低出走数が必要です。これも2025年5月に改訂されました。
等級 | 最低出走数 | 備考 |
A1 | 90走以上 | |
A2 | 80走以上 | 70走から変更 |
B1 | 65走以上 | 50走から変更 |
B2 | 基準なし |
B1基準が15走多くなっています。なお、等級審査は50走以上で適用となるため、勝率が低く引退勧告が来そうな選手が1期分の審査を無効化するために49走で出走を止める戦略があるのですが、この基準は50走で変わらないらしいです。
最新のルール条件を洗い出したので、毒島選手はどうなってしまうのかここから見ていきます。
毒島誠選手は本当にB2級になってしまうのか?
毒島選手の状況
図にするとこんな感じ

7月から12月末までの2025年後期はA1級です。
フライング休み:7月28日~10月26日
5月からこれまでの出走数:32走
毒島選手の10月末までの出走回数はどうなるか
毒島選手はフライング休み前に
・SGグランドチャンピオン
・G2ボートレース甲子園
・SGオーシャンカップ
のあっせんが入っています。
いずれも6日間のレースで、最大1日2走できますが、毒島選手は初日のドリーム戦や優勝戦に乗ることが多く、そういった日は1走の場合が多いため、6日間レースだと9走であることが多いようです。
仮に3節すべて9走と仮定すると既存の出走数と合わせてフライング休み前までにとれる出走数は59走となります。
ちなみにもし上記3節で初日以外2走詰め込んでもらって11走できたとするとフライング休みまでに65走となり、B1級の出走回数には届きます。
また、等級審査期間は10月末までなのでフライング休みが明けてすぐの10月27日~31日にあっせんが入れば65走は超えることが可能です。
事故率はどうなるのか
不良走行、待機行動違反の事故点はどこで調べられるのかわからないので一旦0と仮定して、現在毒島選手の事故点はフライング2回で50点。
59走で今期が終わったとすると事故率は
50÷59=0.84
0.7を超えてB2級確定です。
では、今入っているあっせんと、10月末にもあっせんを入れてもらって70走まで行けたとしたらどうでしょうか。
50÷70=0.71
やはり0.7を超えてしまってB2級確定です。
B2級降格はほぼ確定
事故率0.7以上を回避するためには出走数は72走必要です。
フライング休みまでに入っているレースはすべてグレードレースのため、毒島選手の出走数を少しでも多くなるようレースを組むということは難しい気がします。
ではフライング休みが明けた10月下旬に詰め込めばどうかというと、10月27日~31日で5日間あります。しかしそんなに都合よく開催するレースがあるのかが今はまだわかりません。また、あったとしても5日間毎日2走でも10走なので、やはりグレードレースであるグラチャン、ボートレース甲子園、オーシャンカップでも各節9走では合計72走には足りません。
毒島選手が何とかB2級にならずB1級でとどまることができるとしたら条件は以下です。
・グラチャン、甲子園、オーシャンで各節10走以上(1日だけ1走、他毎日2走)
・10/27~31にレースがあり、毎日2走できる
かなり難しいですね。
今年中はまだA1級!
すでにB2級になる話ばかりになっていますが、B2級が適用されるとなると2026年1月からで、2025年中は毒島選手はA1級です。
F休み期間と被ってSGボートレースメモリアル、ボートレースダービーは出られませんが、現在獲得賞金5位なので11月のSGチャレンジカップ、12月のグランプリには出場権があるはずです。
もしかしたらB2級降格前に今年も賞金王になれる可能性もあるかも!
今回調べてみてわかったこととしてはF2の場合、フライング休みが1回目と2回目で同じ等級審査期間に入ってしまうと出走数と事故点の兼ね合いでB2級になりやすいということがわかりました。
本当に近年フライングの罰則が厳しくなっていますね。
個人的には他の選手に迷惑をかけていたり、ケガの危険性もある妨害や不良走行のほうが罪が大きい気がするのですが、フライングは収益に大きくかかわるので運営側としてはフライングのほうが罪深いのでしょうね。
長くなったので今日はここまで。