SGボートレースメモリアルも終了し、2022年のSG戦も少なくなってきました。SGのうち、まだ出場選手が決定していないのはチャレンジカップとグランプリ/グランプリシリーズ。どちらも獲得賞金順に出場選手が決まるレースなので、8月28日現在の獲得賞金から出場選手を予測してみます。
チャレカとグランプリの出場条件をおさらい
チャレンジカップ(チャレカ)とグランプリ/グランプリシリーズの出場条件を確認します。
チャレンジカップ
→その年の1/1~10/31の獲得賞金上位34選手
グランプリ
→その年の1/1~チャレカ終了までの獲得賞金上位18選手
そのうち、上位6選手はトライアル2ndからの参戦。7位~18位はトライアル1stからの参戦となる。
グランプリシリーズ
→その年の1/1~チャレカ終了までの獲得賞金19位~60位の選手
実際にはF休みや辞退などで繰り上がりがいる場合も多いです。チャレカ、グランプリシリーズはF休みと被ると出場できないですが、グランプリ出場に該当する選手がF休みと被る場合特例でF休みがずれ、グランプリには出られることがあるらしいです。
最近のチャレカ、グランプリ選出の獲得賞金ボーダーは?
チャレカ、グランプリに選出されるための獲得賞金のボーダーラインをグラフ化してみました。
青いラインが34位で選出された選手の選出時の獲得賞金です。近年じわじわボーダーが上がっている傾向がありますね。これまでは4000万円程度で確度が高かったのが、昨年は一気に700万円以上ボーダーが上がってしまっています。
こちらはグランプリ/グランプリシリーズ選出時の獲得賞金1位、6位、18位、60位の選手の獲得賞金です。
こちらも上昇傾向ですね。
最近ではトライアル2ndからを確定するには1億円超えしていたいところです。また、グランプリに乗るのに安全圏なのは7000万円と見ていたほうがよいでしょうか。
グランプリシリーズに出るには4000万円は欲しいところです。
獲得賞金を上げるには一般戦優勝よりグレードレース出場
ボートレースの賞金はレースのグレードにより大きく違うことは周知の事実かと思いますが、一般戦とSGではかなり違います。
グランプリ以外のSG
優勝賞金3300~3900万円。優勝戦2着、3着でも1000万円以上。優勝戦6着でも500万円以上。
G1
優勝賞金1100万円程度。ただし地区選は480万円。
一般戦
優勝賞金74万円以上。
一般戦で5回優勝するよりも、SGで優出完走する方が賞金が高い!
さらにグレードレースでは特別競走参加賞も出たりするので、一般戦で何度も優勝した選手よりSGで優勝しなくともそここその活躍をした選手のほうが獲得賞金が多いということもあります。
SGで優勝すれば獲得賞金が一気に跳ね上がるので優勝一発で賞金上位に躍り出ることもあります。
2021年は7月のオーシャンカップ終了時点で4320 峰竜太選手の獲得賞金は1億円を超えていましたが、今年は初SG制覇の選手も多く、現在賞金1位が4205 山口剛選手の76,721,457円です。山口選手は今年SGで2度優出していますが、優勝はしていません。
以上を踏まえて8月28日現在の獲得賞金1位~60位の選手を見ていきます。
1位~60位チャレカ出場予想
順位 | 登録番号 | 選手名 | 賞金 | ダービー出場順位 | チャレンジカップ | チャレカ順位 |
1 | 4205 | 山口剛 | 76,721,457 | 9 | 1 | |
2 | 3779 | 原田幸哉 | 73,823,000 | ー | 2 | |
3 | 4459 | 片岡雅裕 | 70,133,000 | ー | 3 | |
4 | 4262 | 馬場貴也 | 68,180,000 | 15 | 4 | |
5 | 3941 | 池田浩二 | 67,507,000 | 7 | 5 | |
6 | 4502 | 遠藤エミ | 63,679,000 | 予備9 | 6 | |
7 | 3960 | 菊地孝平 | 61,572,706 | 39 | 7 | |
8 | 4787 | 椎名豊 | 61,530,133 | 38 | 8 | |
9 | 3897 | 白井英治 | 60,905,457 | 出場取り消し | 出場不可 | ー |
10 | 4238 | 毒島誠 | 58,821,000 | 優先出場 | 出場不可(F休み) | ー |
11 | 4168 | 石野貴之 | 56,482,000 | ー | 9 | |
12 | 4444 | 桐生順平 | 55,527,133 | 8 | 10 | |
13 | 4686 | 丸野一樹 | 52,290,000 | 優先出場 | 11 | |
14 | 4013 | 中島孝平 | 48,856,000 | 予備2→出場 | CC昨年ボーダー越え | 12 |
15 | 3783 | 瓜生正義 | 46,584,000 | 優先出場 | 13 | |
16 | 3737 | 上平真二 | 46,224,000 | 26 | 14 | |
17 | 4719 | 上條暢嵩 | 45,138,000 | 46 | 15 | |
18 | 4337 | 平本真之 | 45,030,000 | 前年度優勝者 | 16 | |
19 | 4831 | 羽野直也 | 44,870,833 | 13 | 17 | |
20 | 4586 | 磯部誠 | 44,464,000 | 12 | 18 | |
21 | 4851 | 関浩哉 | 43,000,000 | 17 | 19 | |
22 | 4344 | 新田雄史 | 42,398,000 | 出場取り消し | 出場不可 | ー |
23 | 4504 | 前田将太 | 42,314,000 | 35 | 20 | |
24 | 4362 | 土屋智則 | 40,613,399 | 28 | 21 | |
25 | 3942 | 寺田祥 | 40,516,000 | ー | 危険 | 22 |
26 | 3573 | 前本泰和 | 39,955,000 | 16 | 23 | |
27 | 4074 | 柳沢一 | 39,860,000 | ー | 危険 | 24 |
28 | 4350 | 篠崎元志 | 39,686,000 | 47 | 25 | |
29 | 4477 | 篠崎仁志 | 39,664,000 | 32 | 26 | |
30 | 4024 | 井口佳典 | 39,435,500 | 29 | 27 | |
31 | 4524 | 深谷知博 | 39,421,266 | 25 | 28 | |
32 | 4494 | 河合佑樹 | 39,240,266 | 36 | 29 | |
33 | 3719 | 辻栄蔵 | 39,093,500 | 19 | 30 | |
34 | 3415 | 松井繁 | 38,791,000 | 22 | 31 | |
35 | 3946 | 赤岩善生 | 38,662,000 | 14 | 32 | |
36 | 4418 | 茅原悠紀 | 38,254,266 | 18 | 33 | |
37 | 3557 | 太田和美 | 37,585,500 | 予備7 | 危険 | 34 |
38 | 4682 | 大上卓人 | 36,695,166 | 予備1→出場 | 選出可能性大 | 35 |
39 | 4290 | 稲田浩二 | 36,597,066 | ー | 36 | |
40 | 4075 | 中野次郎 | 36,167,133 | 30 | 選出可能性大 | 37 |
41 | 4398 | 船岡洋一郎 | 36,158,457 | ー | 38 | |
42 | 4450 | 平高奈菜 | 36,140,000 | 予備8 | 39 | |
43 | 4297 | 山田哲也 | 36,092,069 | ー | 40 | |
44 | 3744 | 徳増秀樹 | 35,588,206 | SG準優先でF | SG準優先でF | ー |
45 | 4932 | 新開航 | 33,865,000 | ー | 41 | |
46 | 3780 | 魚谷智之 | 33,370,000 | 48 | 42 | |
47 | 4095 | 福来剛 | 33,358,602 | 21 | 43 | |
48 | 4061 | 萩原秀人 | 32,236,000 | ー | 44 | |
49 | 4028 | 田村隆信 | 32,132,066 | 49 | 45 | |
50 | 4042 | 丸岡正典 | 31,608,000 | 41 | 46 | |
51 | 4296 | 岡崎恭裕 | 31,607,000 | 43 | 47 | |
52 | 4503 | 上野真之介 | 31,587,000 | 45 | 48 | |
53 | 4816 | 村松修二 | 31,581,000 | ー | 49 | |
54 | 4760 | 山崎郡 | 31,503,000 | 37 | 50 | |
55 | 4685 | 島村隆幸 | 31,357,000 | ー | 51 | |
56 | 4148 | 枝尾賢 | 31,239,000 | ー | 52 | |
57 | 4063 | 市橋卓士 | 30,835,066 | ー | 53 | |
58 | 4397 | 西村拓也 | 30,651,000 | ー | 54 | |
59 | 4371 | 西山貴浩 | 30,524,166 | ー | 55 | |
60 | 3854 | 吉川元浩 | 30,203,000 | 42 | 56 |
現在チャレンジカップのボーダーである獲得賞金34位は3557 太田和美選手ですが、60位の選手でも獲得賞金は3000万円を超えており、これから10/31までの2カ月間で順位が大きく入れ替わることが考えられます。特にSGボードレースダービーに出場予定の選手は大きく賞金を上乗せできる可能性があります。一方で、ボートレースダービーに出場しない選手で、獲得賞金3000万円台の選手は逆に追い抜かれてチャレンジカップはボーダーに届かない可能性が出てくるかと思います。
現在チャレカ安パイだと言えるのは昨年のボーダーを超えている4013 中島孝平選手以上でしょうか。
早すぎるグランプリ出場予想
今年は現状まだ1億円プレイヤーがいないのでトライアル2ndからの出場選手の獲得賞金ボーダーは下がることが考えられます。
現在獲得賞金4000万円程度の選手であればダービー、チャレンジカップの優勝で一気に賞金ランキング1位になる可能性もあるのでまだまだ順位は入れ替わりますが、とはいえ、昨年までの実績を見ると、ここまで稼いでいればほぼグランプリが見えている選手もいます。
グランプリに向けた注目選手の状況だけまとめてみます。
グランプリ2ndほぼいけるんじゃない?
順位 | 登録番号 | 選手名 | 賞金 | ダービー出場順位 | チャレンジカップ |
1 | 4205 | 山口剛 | 76,721,457 | 9 | 出場濃厚 |
4 | 4262 | 馬場貴也 | 68,180,000 | 15 | 出場濃厚 |
5 | 3941 | 池田浩二 | 67,507,000 | 7 | 出場濃厚 |
無事にチャレンジカップも出場したらダービー、チャレカでの賞金上積みもあるので無事故完走を貫けばほぼ2ndは決まったようなものではないでしょうか。
順位 | 登録番号 | 選手名 | 賞金 | ダービー出場順位 | チャレンジカップ |
2 | 3779 | 原田幸哉 | 73,823,000 | ー | 出場濃厚 |
3 | 4459 | 片岡雅裕 | 70,133,000 | ー | 出場濃厚 |
ダービーには出場権がない現在賞金上位2位、3位のこの2人も、チャレンジカップには出場濃厚です。昨年はボーダーが高かったですが、今年はそこまでボーダーが高くならないと見こすと2ndから行けるのでは~?という気はします。
グランプリは濃厚だけど2ndからは厳しいか?
順位 | 登録番号 | 選手名 | 賞金 | ダービー出場順位 | チャレンジカップ |
6 | 4502 | 遠藤エミ | 63,679,000 | 予備9 | 出場濃厚 |
9 | 3897 | 白井英治 | 60,905,457 | 出場取り消し | 出場不可 |
10 | 4238 | 毒島誠 | 58,821,000 | 優先出場 | 出場不可(F休み) |
遠藤選手はダービーの出場は難しいと思うので、チャレンジカップの活躍次第では6位以内も可能だとは思います。ただ、今年最初のSG、ボートレースクラシックの覇者なので、フライング休みと被らなければ各ボートレース場からの推薦で選出されるSGボートレースメモリアルには出場できたはず。そうするとそこでの賞金上積みができたのでもっと賞金上位に食い込めたのではないでしょうか。
白井英治選手はメモリアルの優勝戦でフライングを切ったので、今後1年間SGに出場できません。ただし、グランプリだけ特例です。SGの優勝はないとはいえ、コンスタントにSGに出場し、予選突破、優出をしているからこそこの位置にいて、年末までに18位以内はほぼ濃厚と言えます。
毒島選手は一般戦でのフライングでチャレンジカップとF休みが被り、SG連続出場が途絶えたことが大きな話題になっていましたが、本来は2ndからの参戦を早い段階で確定しておくような実力の選手です。ダービーで優出すれば6位以内もまだ不可能ではないですが、やはりフライングにより例年より厳しい位置となっています。
グランプリシリーズ大丈夫?
現在獲得賞金60位以内の選手でもこれから獲得賞金を伸ばせないと60位圏外に落ちてしまう可能性もあります。特にこれからダービー、チャレカの両方とも出場しない選手については現在60位圏外でダービー出場予定選手に抜かされている可能性があります。
現在60位圏外でボートレースダービー出場が決まっている選手はこちら
登録番号 | 選手名 | 2021年 |
3159 | 江口晃生 | 家事都合辞退 |
3388 | 今垣光太郎 | シリーズ出場 |
3590 | 濱野谷憲吾 | グランプリ出場 |
3623 | 深川真二 | シリーズ出場 |
3721 | 守田俊介 | シリーズ出場 |
3996 | 秋山直之 | シリーズ出場 |
4050 | 田口節子 | |
4236 | 松村敏 | |
4361 | 柳生泰二 | |
4492 | 本多宏和 | |
4545 | 岡村慶太 | |
4566 | 塩田北斗 | |
4939 | 宮之原輝紀 |
60位圏外だと現在の賞金がわからないので、現在何位くらいなのか想定できませんが、昨年はグランプリ/グランプリシリーズの出場権利があった選手がこんなにいます。
現在の獲得賞金ランキングを見ていると、なんと、有名選手がちょっと危険な位置に!それがこの2人。
「濃く行きます」で有名な3744 徳増秀樹選手
現在賞金ランク44位。35,588,206円。
SGオーシャンカップ準優戦でのFによりSG4節出場停止。メモリアル、ダービー、チャレカ、シリーズが該当してしまう。
艇界のエンターテイナー 4371 西山貴浩選手
現在賞金ランク59位。30,524,166円。
ダービー出場予定がなく、チャレカも今の獲得賞金だと厳しい。昨年はグランプリに出場しオールスター投票2位の人気者がこの位置に⁉
西山選手はSG出場停止の処分を受けているわけではないですし、これから11月までG1の斡旋もたくさん入っているので、これからの活躍次第でグランプリシリーズは出場できる可能性があります。ですが、2年連続でグランプリに出場し、2020年はグランプリで優出までしている西山選手がシリーズもぎりぎりの位置というのは意外です。
何よりもおそろしいのは、フライング
今回調べてみて、優勝回数よりもコンスタントにグレードレースに出て賞金を稼いでいるということがとても重要で、それを阻害してしまうフライングはボートレーサーの年間の獲得賞金や出られるレースに大きく影響するということを改めて感じました。
毒島選手や遠藤エミ選手はフライングがなければ出られていたであろうSG戦がありましたし、今グランプリシリーズ戦の安全圏にいる選手でもこれから12月までにフライングを切ってしまうとグランプリシリーズに出場できない可能性も大いにあります。
一般戦でたくさん優勝するよりも、優勝しなくていいからたくさんSGに出たほうがいいんだぜ、とも読み取れるようなことを書いてしましましたが、SGボートレースクラシックは選出条件の②が「G3以下の優勝回数の多い選手」だったりするので、一般戦でたくさん優勝することも大いに意味があります。