倉持莉々選手、産休復帰後大活躍中
金子拓矢選手との結婚を発表し2023年7月のボートレース甲子園の出走を最後に産休をとっていた4825 倉持莉々選手が今月復帰しましたが復帰後すぐから驚異的な活躍を見せています。
復帰戦となった平和島の混合戦では2日目からいきなり3連続1着をとり、節間4勝をあげると、復帰2節目のオール女子戦では優出し、優勝戦も2着となっています。
この2節を通しての倉持選手の勝率はなんと7.10。1年3カ月の産休でのブランクを感じさせないどころかそれ以上ではないかと感じさせる勢いの活躍です。
しかし、今の倉持選手のように産休・育休による長期欠場後に勢いよく活躍する女子選手は他にもいます。
復帰後すぐ勝率7.0オーバー A1昇格:小野生奈選手
2022年2月~2023年3月まで産休をとっていた4530 小野生奈選手は復帰後2節目で優出、復帰後の等級審査期間では勝率7.07をとりB2級からA1級に飛び級昇格しました。
また、出走数の関係で復帰後すぐのA1昇格ではないですが、2021年8月~2023年3月まで1年7カ月の産休による長期欠場をしていた4556 竹井奈美選手も復帰の次の等級審査期間で勝率7.07と産休明けに活躍していました。
復帰節で優勝:塩崎桐加選手
4589 塩崎桐加選手は2016年10月~2018年1月に産休をとりましたが、産休明けの復帰節でいきなり優勝を果たしました。
その後B2→B1→A1と1節ごとに勝率、出走数を上げましたが、この産休明けのA1昇格が塩崎選手にとっては初のA1昇格で、出産前より強くなっています。
産休と産休の間で優勝:平山智加選手
さらにもう少し先輩選手になると4387 平山智加選手は第1子と第2子が年子で、2017年1月~2018年3月と2018年5月~2019年5月の2回産休をとっていますが、その後の活躍の仕方がすごいです。
まず1回目と2回目の産休の間は2カ月しかないので3節しか出走していないのですが、その2節目で優勝しています。1回目の産休後2節目でいきなり優勝です。
その後すぐ2回目の産休をとり、復帰後の2020年前期は勝率7.08と4期連続のB2からいきなりA1に昇格となりました。
冒頭の倉持莉々選手は産休からの復帰節で平山選手と一緒になり宿舎でも声をかけてもらったそうで平山選手を「心の師匠」と呼んでいました。
ボートレーサーの先輩と結婚し、産休・育休をとりながら活躍を続ける平山智加選手はライフイベントとキャリアの両立を考える若手女子ボートレーサーにとって良いお手本となっているかもしれません。
土屋南選手は第2子妊娠を発表
4964 土屋南選手は2024年10月、自身のSNSで第2子妊娠としばらく産休をとることを発表しました。
土屋選手は2020年10月に佐藤翼選手と結婚し、第1子妊娠を発表。2020年10月~2021年11月に産休をとりました。そして復帰節でいきなり優出、復帰後3節目で自身2度目の優勝、さらにその次の節も優出と急激に活躍し、復帰後すぐの等級審査でB2級からA1級へと飛び級昇格となりました。土屋選手はそれまでA1級昇格経験がなく、自身初のA1級が産休復帰後となりました。
土屋選手は人気選手なのでしばらくレースで見られないのは寂しいですが、第2子出産後も復帰したらまた活躍してくれることでしょう。
なんで産休後すぐ昇格できるの?
もちろん全員ではないですが、産休・育休による長期欠場からすぐにA1級に昇格できる女子選手がこんなに多いのはなぜなのでしょうか。
長期欠場をすると出走数不足で必ず等級制度の最低ランクのB2級に降格することになります。これはB1以上の等級になるには出走数が半年で50走以上ないといけないという条件があるためです。また、レースへの斡旋数は等級が高いほうが多くなるように決められており、B2級だと斡旋数が多くありません。
ただし、産休・育休により長期欠場する場合は「育休特例」というものがあり、不出場期間が90日以上1年6ヵ月未満の場合、産休前の等級と同等の斡旋数が適用となります。
この育休特例のため、通常のB2級選手よりも出走数が多くA1級の条件である90走を超えやすくなり、もとから実力がある選手はB2からA1という飛び級昇格が可能となります。
ですが、当然A1級に昇格するには出走数だけではなく相応の勝率が必要です。妊娠・出産による体重の急激な増減や体調の変化もあり、さらに長期欠場でレース勘が戻るのかなど不安要素もかなり多いですが、産休以前より活躍できる選手というのは子どもという守るべき存在ができたということがボートレーサーとしての意識にも変化を生じさせるのでしょうか。まさに「母は強し」ですね。