ボートレース住之江で開催していた、ボートレース年間賞金王を決定する今年最後のSG戦、ボートレースグランプリ/グランプリシリーズが終了しました。
結果はグランプリは3783 瓜生正義選手が優勝、グランプリシリーズは4344 新田雄史選手の優勝でした。これで2021年の賞金ランキング1位に瓜生選手が躍り出ました。
まずは瓜生選手のツケマイの凄さを讃えたい
4号艇から見事なツケマイで1Mを制した瓜生選手は本当にお見事。キレッキレのターンが本当に鮮やかだったんですが、それよりもこの優勝戦で話題になったのは4艇事故で3連単・3連複が不成立となり41億円という過去最高の返還額となったことでしょう。Yahoo!ニュースにも取り上げられたみたいですね。
今年大活躍だった4320 峰竜太選手が1号艇から2年連続の賞金王を獲りに行くことを期待していた人も多かったことでしょう。そんな一番注目の的だった峰選手がターンマークに激突して、転覆。そしての後に続いていた丸野選手、平本選手、さらには毒島選手が巻き込まれ峰選手が妨害ということに。
この辺りの流れは日刊スポーツの記事に上空からの写真と図解で非常にわかりやすく解説されていました。
図解の方だと見やすく描いているので瓜生選手が大きく外を回ったように見えますが、実際は本当に峰選手の側を鋭くターンしています。そして、後ろから来た6号艇の毒島選手も避けきれず転覆してしまう中、事故艇を避けて生き残った5号艇の白井英治選手も凄い判断力とテクニックです。
今回は転覆した全員、大事にはいたらなかったようなので良かったですが、やはり事故レースというのは後味が悪く、瓜生選手の素晴らしいツケマイを手放しに絶賛する雰囲気になれないのは惜しいです。
峰竜太選手はまだ競艇界でやることができた
すべてのSGのドリーム戦で1号艇に乗った峰竜太選手は今年、本当に実力も名声も一番の選手だったと思います。本人もオールスターの人気投票で1位をとり、オールスター自体を制覇したことからやり切った感が出ていて「40歳で進退を決める」と言っていました。今年さらにグランプリも制してしまうともうやることがなくなってしまいそうでしたが、今回のこの結果は、やはり引退にはまだまだ早い、峰選手は来年もボートレース界を盛り上げてもらう必要があるということなのかもしれません。
今回、峰選手は妨害失格となりましたが、4艇事故で3連単・3連複が不成立で返還になったことにより、主催者は痛手ですが、賭けている人は返還になったため、的中しなくとも痛手が少なかった人が多かったのではないでしょうか。もしもう1艇残っていたらレースは成立し、返還はなかったはず。峰選手に賭けていた人にとっては損をさせられたわけではないので、同じ負けでも少しはマシだったのかもしれません。
今節は事故が多い波乱のグランプリだった
ちなみに今回、11Rのグランプリシリーズ優勝戦も2艇がゴールできない事故レースでした。
4371 西山貴浩選手は初のSG制覇かと期待されていましたが、なんと妨害。峰選手同様、期待されながらの妨害失格とは残念です。
今回は初日から事故レースが多く
・初日10Rで3艇事故
・初日トライアル1stでも3艇事故
・2日目に3388 今垣光太郎選手が+.09の非常識なフライングで即日帰郷
さらに接間中にフライングが2回、単騎での転覆が2回となかなか荒れた一節間でした。
初日に転覆して帰郷となった4205 山口剛選手も無事のようですし、選手生命に関わるような大きな怪我を伴う事故がなかっただけ良かったです。
しかしSG優勝戦でフライングすると6カ月間G1戦に出場できないなどのペナルティがありますが、妨害はそういうペナルティはないのでしょうか?事故点がつくだけ?フライングも返還になるので罪は重いですが、妨害の方が他の責任外の選手に迷惑がかかっている上に、レースが成立した場合、責任外の選手の舟券買っていた人が損をするからフライングだけに厳しいのは施行者主体のルールだな、という気がします。
今年はベテランの年だったのかもしれない
今年のボートレース界を思い返すと、昨年のグランプリを制した後、オールスターを制した峰選手がそのまま勝率1位も維持しつつ、テレビなどで知名度をより上げてとても目立っていたので、これでグランプリを連覇したら2021年は峰選手の年だと言えたと思います。
しかし最後の最後でベテラン瓜生選手がグランプリを制し、賞金王の座を奪取。
思い返せば今年は45歳以上のマスターズ世代の選手の活躍が目覚ましい年でありました。
年間8回(グランプリシリーズ含めると9つ)しかないSG戦のうち、5つのタイトルホルダーが45歳以上の選手となっています。
SG戦 | 登録番号 | 優勝選手 | 年齢 |
グランドチャンピオン | 3573 | 前本泰和 | 49 |
オーシャンカップ | 3590 | 濱野谷憲吾 | 47 |
ボートレースメモリアル | 3779 | 原田幸哉 | 45 |
チャレンジカップ | 3719 | 辻栄蔵 | 46 |
グランプリ | 3783 | 瓜生正義 | 45 |
ちなみに昨年2020年は45歳以上の選手のSG覇者は2人でした。
2021年のビッグレースはこれで終わりましたが、1月からは新たな等級で入れ替わりがあり、また新たな1年の戦いがすぐに始まります。
来年はどんな波乱があるのか、そしてボートレースで安定的な儲けが出せるのか、来年も楽しみです。