ボートレースG1戦にB級選手が出てるのなんで?

ボートレースは2月から各地域でのG1戦、通称「地区選」が始まっています。

地区戦はG1戦ではありますが他のG1戦とは少し異なる特徴があり、地区によってはA1級以外の選手も出場していることが多々あります。

そもそも地区戦って?

まずは地区戦について簡単にまとめ

  • 関東、東海、近畿、中国、四国、九州の6地区で開催されるG1戦
  • 優勝賞金は480万円で他のG1戦より安い(一般的なG1の優勝賞金は1000万円前後)
  • 出場選手はその地区に属する支部のA1選手を中心に斡旋される(A1必須ではない)
  • 地区戦の優勝者は3月開催のSGボートレースクラシックへの出場権が与えられる
  • 優出すると7月に開催されるSGオーシャンカップの選出基準となる得点が与えられ、オーシャンカップ出場にも影響がある

賞金は少ないですが、地元または準地元のボートレース場になるので若手でも優勝のチャンスがあると言われるG1が地区戦なのです。

G1なのにA1選手以外も出場している理由

上述の通り、地区戦はG1戦でありながらA1級が必須ではありません。なぜなら、地区によってはA1戦がシリーズを開催できる人数に満たないことがあるためです。

地区戦はどの地区も斡旋人数は50人。ただし、地区ごとのA1選手をカウントすると、2022年前期の現在は以下のような人数分布になります。

地区A1選手数
関東63
東海56
近畿64
四国31
中国49
九州62
地区別A1選手人数

四国は31人、中国は49人と、50人に達していません。A1選手を全員出場させたとしても四国は19人をA2以下の選手で埋める必要があります。

今年の地区戦は関東、東海、近畿は全選手A1でしたが、四国、中国、九州の3地区はA1級以外の選手が出走していました。なお、関東も途中からB1選手が出走していましたが、これは元からの斡旋ではなく途中帰郷等で選手が足りなくなったことによる追配でした。

九州については所属人数が多く、A1選手も62人と多いのにB1級選手も地区戦に出場していたことで地元で勢いのある若手を目立たせようというような思惑を感じました。

A1級以外で地区戦出場選手

今回A1以外でG1戦である地区戦に出走した選手はこちら

地区登録番号選手名等級
中国2930新良一規A2
中国4069山本修一A2
中国4475末永祐輝A2
中国4703森永隆A2
九州4072森永淳A2
九州4932新開航A2
九州5029中亮太A2
九州4336松田竜馬B1
九州5008羽野諒B1
九州5142常住蓮B1
四国3304烏野賢太A2
四国3333丸尾義孝A2
四国3478嶋田貴支A2
四国3543福田雅一A2
四国3568木村光宏A2
四国3849中岡正彦A2
四国3955眞田英二A2
四国3975小野寺智洋A2
四国4154森安弘雅A2
四国4220深川和仁A2
四国4247齊藤優A2
四国4260中越博紀A2
四国4331三好勇人A2
四国4359横川聖志A2
四国4452松尾祭A2
四国4596葛原大陽A2
四国4821妻鳥晋也A2
四国4852川原祐明A2
四国4714喜多須杏奈B1
四国5056西岡成美B1
A1以外の地区戦出場選手

中国は足りない人数をA2級選手で埋め、九州は意図的に数名A1以外枠を作ってA2,B1で勢いのある若手を入れ、四国はA1級だけだとかなり人数が足りないのでA2級選手をいれつつ、人気の女子選手を2名追加。
という感じでしょうか。

A1級で地区戦不出場選手

逆にA1級以外が出場している、中国、四国、九州の3地区で地区戦に出場していないA1選手も調べてみました。(A1級だけで人数が埋まっていた関東、東海、近畿は調べていません)

地区登番名前漢字支部
中国3873別府昌樹広島A1
中国4108吉村正明山口A1
四国3743林美憲徳島A1
九州3257田頭実福岡A1
九州3349吉田一郎長崎A1
九州3522長溝一生佐賀A1
九州3576白水勝也福岡A1
九州3703鳥飼眞福岡A1
九州3783瓜生正義福岡A1
九州3876中辻崇人福岡A1
九州4096石橋道友長崎A1
九州4101三井所尊春佐賀A1
九州4171榎幸司長崎A1
九州4236松村敏福岡A1
九州4287今井貴士福岡A1
九州4350篠崎元志福岡A1
九州4544松田大志郎福岡A1
九州4715村上遼長崎A1
九州4734安河内将佐賀A1
九州4736高倉和士福岡A1
九州4885大山千広福岡A1
地区戦不出場A1選手

四国の林美憲選手は昨年11月にフライングを切り、1/12~2/16の期間斡旋がないのでフライング休みかもしれません。

その他の選手も呼ばれなかった可能性もありますが、フライング休みや家事都合などで主催者側も出場させたかったけれど出場がならなかった可能性もあります。

ちなみに志賀支部の3721 守田俊介選手は昨年手術のために休みの期間があり、A1維持の出走数90走超を優先するために今期は全てのG1、SGの斡旋を断わっていることを明かしています。
そのように戦略的にこの時期のG1戦に出ないとしている選手もいそうなので、今回地区戦に出場していないA1選手は実力がなかったり、何かやらかしているというわけではないのです。

地区戦に出場したA2以下選手の成績

地区戦に出場したA1以外の等級選手は活躍できたのでしょうか。
中国地区選手権は2/13から開催なのでまだ結果が出ていないですが、四国、九州を見てみます。

【四国】
A2級の4852 川原祐明選手、4359 横川聖志選手の2人が予選突破しましたが準優戦で敗退。優勝戦はA1選手のみとなりました。
ちなみに、今期初A1昇格となった5043 中村日向選手が優出し、登録番号5000番台初のG1優出を果たしました。
さらに3日目にはB1級の5056 西岡成美選手がG1初勝利。このレースは6艇全て女子選手だったので通常のG1戦というよりただの女子戦に近い気がしますが、1号艇はSGにも出場経験がある4450 平高奈菜選手でしたので、G1初勝利というより平高選手をまくったということのほうが価値があったような気がします。

【九州】
A2級の4072 森永淳選手が予選突破しましたが、準優戦で敗退。こちらも優勝戦はA1選手のみとなりました。
また、B1級の5142 常住蓮選手が3日目にG1初勝利を上げています。常住選手は2020年デビューの126期。まだ優出経験もない中でのG1戦選出は支部の期待のあらわれなのでしょうか?

今日はここまで。

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