ボートレースの事故点・事故率について調べてみた

ショックなことに、先日推しぴの4998 中村かなえ選手がF休み明けの節でF2を切ってしまいました。フライングのペナルティとしてF休みがあり、F3になると休みの日数が多くなるため必ずB2になってしまうと以前まとめました。

しかし、B2になる条件は勝率、出走数以外に、「事故率0.7以上」というものがあります。

中村選手のF2でふと「事故率は大丈夫なんだろうか」と気になったので事故点と事故率について調べてみました。

事故点・事故率とは

ボートレースにおける「事故」とはフライング、転覆、落水、沈没、不完走、欠場、待機行動違反、不良航法等のことを言い、内容によって「事故点」が付きます。

内容事故点記号
優勝戦でのフライング30F
優勝戦以外でのフライング20F
選手責任の出遅れ20L1
選手責任の事前欠場10K1
選手責任の失格(転覆など)10S1
他艇を妨害・失格15S2
待機行動違反・不良航法2
事故点一覧

記号とはレース結果に着順の欄に記載される記号です。(通常1着、2着となるところが完走にならないため上記の記号が入ります)
待機行動違反と不良航法は事故点はつきますし、準優勝戦の場合、優出除外になったりしますが、翌日の出走表の備考欄にひっそりと書かれているだけだったりしてすべてを把握するのが非常に難しいです。

事故率というのは事故点の合計を出走回数で割ったものです。

例えば半年間の等級審査期間に
・フライング2回(いずれも優勝戦ではない)
・転覆1回
・不良航法2回
・出走回数100回
だった場合 
事故点は20+20+10+2+2=54点
事故率は54÷100=0.5

となります。

フライング休みの有無や等級によって走出走回数には幅がありますが、B級選手であっても半年間で100走超は普通にあるので他に事故点がなく、出走回数が十分であればF2、F3でも事故率オーバーになることはないということがわかります。

ちなみに、事故率が0.70をオーバーした場合や、オーバーしそうだから無事故無違反の出走数を重ねようとしている場合を「事故パン」と呼ぶことがあります。

若手の選手だと出走数が少ないこととフライングや転覆が多めなことが重なり事故パンになることが時々あるようです。一方ベテランは出走数が多く、事故も少ないのであまり事故パンと聞くことがないのですね。

なお、事故点は勝率と同様に等級審査期間ごとにリセットされます。

2022年前期事故点が多かった選手は?

ここからは事故点が高めの選手を調べてみたいと思います。レース結果のデータで事故点が付く記号がついている選手のみを抽出しているので、実際は不良航法や待機行動違反でもっと事故率は高いかもしれません。また、事故点がつかない選手責任外の欠場や転覆は数に入れていません。

まずは現在適用されている等級の審査期間である2021年11月~2022年4月までの間で事故回数が多かった選手を見てみました。

登録番号選手名事故回数事故点
5163清水愛海665
3339泉具巳565
4571菅章哉565
5084末永和也565
4753森照夫465

最も回数、点数が多かったのは5163 清水愛海選手。

清水愛海選手

清水選手の事故点の内訳はこんな感じです。

発生日タイトルレース記号内容事故点
2021/11/14びわこ淡海ポイント倶楽部発足記念ALビーナスちゃんカップ05RS1転覆10
2021/11/23住之江男女W優勝戦 第14回森下仁丹杯争奪戦03RS1転覆10
2022/1/23江戸川江戸川ヴィーナスシリーズ・Yes!高須クリニック杯05RS1転覆10
2022/3/29三国ヴィーナスシリーズ第24戦 三国プリンセスカップ06RS2妨害15
2022/3/29三国ヴィーナスシリーズ第24戦 三国プリンセスカップ12RK1欠場10
2022/4/23下関オールレディース ジュエルセブンカップ01RS1転覆10

ネット上では「転覆系女子」「転覆女王」と呼ばれることもある通り、確かに転覆多めですね。ただ、清水選手はこの審査期間に120走出走しており、事故点は0.54程度。事故パンにはならずB1級を維持しています。

なお、上記の表に挙げた他の事故点65点の4選手はそれぞれ1~2回事故点が20点のフライングを切っています。フライングを切らずに事故点上位の清水選手、さすが転覆系女子。

ちなみに今回事故点65点以上の選手を挙げましたが、60点の選手は15人くらいいます。

2022年5月以降の事故点

では来期の等級審査期間である2022年5月以降ではどうでしょうか。来期の等級審査期間は10月末までなのでまだこれから加算もあるかと思いますが、9/18のレース結果までのデータです。

登録番号選手名事故回数事故点
5003来田衣織570
4313西村美智子465
3854吉川元浩460
4789古賀智之460
5165小林愛実460
来田衣織選手

む、5003 来田衣織選手、既に70点ですね。私の推しぴ、4998 中村かなえ選手の同期の121期、魚谷智之選手が師匠で丸野一樹選手のマルトレをやっている選手ですね。まだ優出経験はないですが、3コース、4コースからちょいちょい1着をとる若手選手という認識でしたが、等級審査期間の残りがまだ1カ月以上あるのに70点って大丈夫????
冷静に計算してみます。

来田選手の事故点の内訳はこちら

発生日タイトルレース記号内容事故点
2022/5/6児島ボートレースレディースVSルーキーズバトル04RS1転覆10
2022/8/12尼崎日本財団会長杯争奪第50回オール兵庫王座決定戦02RS1転覆10
2022/8/14尼崎日本財団会長杯争奪第50回オール兵庫王座決定戦02RFフライング20
2022/9/3鳴門ヴィーナスシリーズ第10戦 マクール杯競走03RFフライング20
2022/9/15常滑ヴィーナスシリーズ第11戦常滑シンデレラカップ05RK1欠場10

フライングが8月と9月で近いのでどうやらまだF休みは取れていないようです。そうすると、今決まっている斡旋終了後からF1の30日+F2の60日で90日間のF休みに入ることになります。

来田選手の今後の斡旋は9/30までなので10/1~12/30がF休みになると思われます。

9/18までの来田選手の出走回数は83走、次の蒲郡でのヴィーナスシリーズ第12戦は6日間レースなので最大でも12走。そうなると、来田選手の今期の最大出走数は95走となります。

え……

70÷95=0.73
(事故点÷最大出走数=今期事故率)

事故パンじゃないですか……。

前期事故点65点だった清水選手は転覆が多くFがなかったためF休みもなく出走回数が多かったのですが、Fがあると今回の来田選手のように出走回数に泣くことがあるのですね。来田選手もあと1節斡旋があればギリギリ事故パン回避の出走数にできたかもしれません。

そもそもFやその他の事故をしなければよいだけの話ですが、伸び盛りの時期にこれは悔しいですね。

ただ、上記の事故点はあくまでボートレース公式サイトからダウンロードできるレース結果情報でわかる範囲の内容での足し上げのため不良航法等の着順に関わらない事故は入っていません。

ひまひま競艇さんによると現在の来田選手の事故点はもう少し高いようなので来期は無事故無違反のレースを目指して再起してほしいです。

ちなみに現在60点の3854 吉川元浩選手は優勝戦でのFがあり、その一発で30点の事故点が取られています。

また、冒頭に書いた4998 中村かなえ選手はF2なので事故点40点なのですが、他の事故点はなく、現在89走かつ明日からヤングダービーにも出場予定のためこれから再度Fを切るなど大きな事故点がつかなければ今のところ事故率は問題ありません。10/28まで斡旋が入っているのと、既にF1の30に休みは消化しているので10/29~12/28がF休みなるはずです。

長くなってきたので今日はここまで。

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