2022/10/5、ボートレース浜名湖で開催されていた一般戦、「BTS玉川24周年記念 Wave21杯」で5089 前田翔選手が初優勝し、養成期124期初の優勝選手となりました。
前田翔選手は120期の前田篤哉選手を兄に持ち、123期の前田滉選手が双子の弟と3兄弟で活躍するボートレーサーですが、この前田兄弟は全員が養成期同期で最も早くA2級昇格と初優勝をはたしています。
そこで今日は前田翔選手の初優勝を記念して前田3兄弟のここまでの成績を深堀してみます。
数少ない3兄弟ボートレーサー前田兄弟とは
改めて前田兄弟のプロフィールを簡単におさらいです。
4983 前田篤哉選手
1996年11月29日生(25)
養成期:120期
現在A1級
174cm/52kg
2022年の最優秀新人選手
優勝回数6回
養成所チャンプ選(優勝戦)には乗っていない
3人とも兄弟だけあって顔が似てますね。双子の滉選手と翔選手は身長体重も近いですが、兄の篤哉選手は身長が174cmとボートレーサーの中では高身長です。それでも体重は52kgの最低体重制限になる前は51kgを維持していたようでかなり瘦せ型です。また、滉選手と翔選手は40kg台のことが多く常にオレンジベストです。身長も特別低いわけではないので痩せ型の家系なのでしょうか。
3兄弟全員口を閉じたプロフィール写真になりましたが、以前は滉選手と翔選手は歯を見せて笑顔のプロフィール写真でした。3人ともちょっと無理して口閉じてるような表情ですが、割と前歯と顎が目立つから口を閉じるようにしたんでしょうか。
ちなみに髪型はだいたいいつも
篤哉選手→短髪。以前は茶髪でしたが最近は髪色は暗い
滉選手→左に流した前髪。どんどん前髪が長くなって、髪色はどんどん明るくなっている
翔選手→黒髪パーマ
という差別化がされています。本人の好みなのか、似ているので差別化を意識しているのか。
前田兄弟の父はすし職人、母が看護師らしいです。母が働いている病院に磯部誠選手が入院したことがあり、磯部選手からボートレースの話を聞いた母が将来の職業として勧めてきたことが滉選手と翔選手のボートレーサーを目指すきっかけになったとか。
なお、篤哉選手は高校が同級生だった吉田裕平選手が高校在学中に養成所に合格したことを聞いたことがきっかけだったようです。
ちなみにインタビューで滉選手はボートレーサを目指し始めたのは篤哉選手より滉選手のほうが先だったと語っています。
お母さん、磯部選手と双子の体格が近いから双子にボートレーサーを勧めたのかな、と思いきや、磯部選手は身長172cm、体重54kgなのでどちらかというと篤哉選手のほうが近い体格でした。
ところで、兄弟、姉妹で現役ボートレーサーという選手は多いですが、「3きょうだい」というのは非常に少なく、こちらの前田兄弟の他には今は2組のみです。
4460 後藤翔之選手、4676 後藤隼之選手、 4680 後藤美翼選手の後藤きょうだい、
4683 向井田直弥選手、 4784 向井田真紀選手、 4811 向井田佑紀選手の向井田きょうだいです。
3人全員同期初優勝
冒頭でも記載しましたが、前田3兄弟はそれぞれ120期、123期、124期で初めての優勝選手です。なお、123期、124期はまだ他に優勝選手が出ていません。
120期~126期の初優勝選手を比べてみます。
養成期 | 登録番号 | 選手名 | デビュー日 | 初勝利 | 初優出 | 初優勝 |
120 | 4983 | 前田篤哉 | 2017年5月20日 | 2017年7月11日 | 2018年9月1日 | 2020年10月10日 |
121 | 5017 | 澤田尚也 | 2017年11月4日 | 2017年12月2日 | 2020年2月9日 | 2021年4月6日 |
122 | 5042 | 畑田汰一 | 2018年5月10日 | 2018年5月14日 | 2020年5月6日 | 2020年5月22日 |
123 | 5068 | 前田滉 | 2018年11月10日 | 2019年4月29日 | 2019年12月1日 | 2020年10月22日 |
124 | 5089 | 前田翔 | 2019年5月10日 | 2020年1月4日 | 2020年4月20日 | 2022年10月5日 |
125 | 5121 | 定松勇樹 | 2019年11月2日 | 2020年6月28日 | 2021年2月4日 | 2022年9月14日 |
126 | 5141 | 大澤風葵 | 2020年5月1日 | 2020年8月23日 | 2021年10月3日 | 2022年6月20日 |
なんとこの中でもっと優勝した日が早いのは122期の5042 畑田汰一選手でした。既に優勝回数5回だし、ほんとに強い…。
実は前田篤哉選手と滉選手の初優勝日も12日しか違いません。デビューから初優勝までの日数では前田滉選手は畑田選手より早く、この中ではデビューから最速での初優勝です。
3兄弟の等級推移
3兄弟の勝率推移を見てみます。
ちょっと小さくなってしまいましたが、デビューを起点にすると篤哉選手がA2になるのが最も早く、滉選手、翔選手は同期の中で最も早くA2級になったものの、その後B1級に出戻りがあります。ただ、そのうち3兄弟そろってA1級となる日も来るのではないでしょうか。
3兄弟の勝率、能力指数推移
次に3兄弟のデビューからの勝率と能力指数の推移も比較してみます。
篤哉選手と滉選手はほぼ同じような推移でしたが、滉選手は2021年後期にF2を切ってからちょっと伸び悩んでしまっている印象です。グラフではなく数字だけで表すとこうなります。
登録番号 | 選手名 | 1期目 | 2期目 | 3期目 | 4期目 | 5期目 | 6期目 | 7期目 | 8期目 | 9期目 | 10期目 | 11期目 |
4983 | 前田篤哉 | 0.00 | 2.87 | 3.89 | 5.41 | 5.56 | 5.77 | 6.06 | 6.48 | 6.30 | 6.46 | 6.65 |
5068 | 前田滉 | 0.00 | 3.00 | 3.61 | 5.09 | 5.91 | 5.82 | 5.30 | 4.71 | |||
5089 | 前田翔 | 0.00 | 3.12 | 3.92 | 4.22 | 5.59 | 4.84 | 5.70 |
次は能力指数の推移です。
ほぼ差がない!!
全然差がわからんので一応数値でも見ておきます。
登録番号 | 選手名 | 1期目 | 2期目 | 3期目 | 4期目 | 5期目 | 6期目 | 7期目 | 8期目 | 9期目 | 10期目 | 11期目 |
4983 | 前田篤哉 | 0 | 40 | 46 | 50 | 51 | 51 | 51 | 55 | 54 | 55 | 59 |
5068 | 前田滉 | 0 | 41 | 45 | 49 | 50 | 51 | 50 | 48 | |||
5089 | 前田翔 | 0 | 42 | 45 | 46 | 51 | 49 | 51 |
篤哉選手はA1級になってから伸びている感じがしますが、純粋に経験の差のような気もします。
さらにスタートタイミングも比較してみます。
登録番号 | 選手名 | 1期目 | 2期目 | 3期目 | 4期目 | 5期目 | 6期目 | 7期目 | 8期目 | 9期目 | 10期目 | 11期目 |
4983 | 前田篤哉 | 0.00 | 0.19 | 0.17 | 0.17 | 0.16 | 0.16 | 0.16 | 0.14 | 0.16 | 0.15 | 0.14 |
5068 | 前田滉 | 0.00 | 0.18 | 0.17 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.21 | |||
5089 | 前田翔 | 0.00 | 0.20 | 0.17 | 0.19 | 0.16 | 0.18 | 0.19 |
滉選手はデビュー直後からスタートが速い選手のようでしたがF2により最近急激にスタートが遅くなっているようです。一方翔選手は全体的に3兄弟の中で少しスタートが遅め、篤哉選手はA1になってからスタートが安定してきているような印象を受けます。ただ、3人ともまだ「スタート巧者」と言えるほどのスタートの速さではないようです。
前田3兄弟まとめ
前田3兄弟は兄の篤哉選手が成績面では3人の中では頭抜けていますが、その差は年齢と経験の差とも言えます。デビューからの成績の推移では明らかに篤哉選手が抜けているとは言い難く、滉選手、翔選手もこれから伸びてくる可能性が十分にあります。
さらに3兄弟全員同期の中では最も早い出世を果たしており、3人揃って若手の中で実力者というのは非常に珍しい才能にあふれた3兄弟です。
今はまだ滉選手と翔選手はA1級昇格がありませんが、近いうちに3人揃ってG1戦に出場ということもあるのではないでしょうか。
既に注目選手ではありますが、今後も3人一人残らず要注目です。