SGチャレンジカップは3719 辻栄蔵選手の優勝で幕を閉じ、2021年のSGレースは残すはグランプリ/グランプリシーズのみとなりました。
チャレンジカップの際にふと思ったのが、「今年出場選手のボーダーが高くない?」ということ。チャレンジカップの出場資格はボートレースダービーまでの獲得賞金上位34位まで。フライング休みや家事都合、処分中などで34位以内でも出場できない選手もいますが、それにしても今年は高いような気がする……。SGやG1の優勝賞金は基本的に決まっているのでもしかして、上位の選手が固定化し、よりがっぽり稼ぐようになっているのでは?そんなことを考えてボートレーサーと年間獲得賞金について少し調べてみました。
チャレンジカップのボーダーは年々上がっているのか?
まずは最初に疑問に思ったチャレンジカップのボーダー賞金額を調べてみました。
2017年、2020年は前年よりも若干下がっていますが全体的に見れば右肩上がりと言えそうです。特に今年2021年は前年から700万円以上ボーダーが上がっており、レベルが高くなっています。これは今年は34位以内でフライング休みの選手が少なかったことも影響しているかもしれません。
年間獲得賞金は上がっているのか
チャレンジカップのボーダーが上がっているということは上位選手の年間獲得賞金も上がっているのでしょうか。年間獲得賞金1位の選手の獲得賞金と100位までの選手の獲得賞金合計を2014年から調べてみました。
1位の選手の賞金額は年によって若干凸凹があるようですが、全体的に見ると右肩上がりなのかな?一方100位までの選手の合計金額は確実に右肩上がりになっているようです。
強い選手はより獲得賞金が多くなり続ける傾向があるような気がします。
上位選手の獲得賞金推移
2014~2020年の7年間の獲得賞金合計の高い選手はこちら
順位 | 登番 | 選手名 | 7年の獲得賞金合計 | MAX | MIN | 平均 |
1 | 4320 | 峰竜太 | 920,539,206 | 253,027,000 | 42,092,000 | 131,505,601 |
2 | 4238 | 毒島誠 | 883,102,834 | 192,772,500 | 53,061,000 | 126,157,548 |
3 | 4168 | 石野貴之 | 827,889,866 | 225,642,666 | 54,144,000 | 118,269,981 |
4 | 4444 | 桐生順平 | 761,825,959 | 212,241,000 | 59,448,000 | 108,832,280 |
5 | 3960 | 菊地孝平 | 728,246,000 | 169,549,000 | 47,441,500 | 104,035,143 |
6 | 3897 | 白井英治 | 676,231,080 | 126,401,000 | 37,109,000 | 96,604,440 |
7 | 3783 | 瓜生正義 | 670,196,000 | 213,734,000 | 48,879,500 | 95,742,286 |
8 | 4024 | 井口佳典 | 647,978,398 | 133,653,000 | 42,761,000 | 92,568,343 |
9 | 3415 | 松井繁 | 618,765,700 | 113,559,000 | 57,837,000 | 88,395,100 |
10 | 4418 | 茅原悠紀 | 578,319,040 | 162,383,840 | 54,892,000 | 82,617,006 |
上位5人の獲得賞金の推移をグラフにするとこうなります
この5人は本当によくグレードのレースで見るな、という感じがします。
8位の4024 井口佳典選手は持続化給付金の件でSGの出場停止処分を受けており、今年はグランプリシリーズに出場ができません。また、9位の3415 松井繁選手もフライング休み中のためグランプリシリーズに出場できず、今年この2選手は何位になるでしょうか。少し勢力図が変わるかもしれません。
今年の賞金王はまだわからない
昨年2020年は11月時点の獲得賞金が1位の4320 峰竜太選手がグランプリも制覇してそのままぶっちぎりで賞金王になりましたが、グランプリの優勝賞金は1億円と多いため、まだ2021年の賞金王はわかりません。過去6年を調べたところ11月時点の獲得賞金が1位でない選手が賞金王になっている年も多々あります。
年月 | 登番 | 選手名 | 順位 | 獲得賞金額 | 11月時点順位 | 11月時点賞金 |
2015 | 3622 | 山崎智也 | 1 | 229,330,000 | 1 | 126,851,000 |
2016 | 3783 | 瓜生正義 | 1 | 213,734,000 | 3 | 97,591,000 |
2017 | 4444 | 桐生順平 | 1 | 212,241,000 | 3 | 98,204,000 |
2018 | 4320 | 峰竜太 | 1 | 202,924,000 | 2 | 96,280,000 |
2019 | 4168 | 石野貴之 | 1 | 225,642,666 | 3 | 118,725,666 |
2020 | 4320 | 峰竜太 | 1 | 253,027,000 | 1 | 147,125,000 |
今年は既に11月末時点で賞金1億円超の選手も5名おり、グランプリで優勝したら一気に賞金王になる可能性がのある選手が多くいます。
順位 | 登番 | 選手名 | 獲得賞金額 |
1 | 4320 | 峰竜太 | 141,630,000 |
2 | 4337 | 平本真之 | 116,564,640 |
3 | 3590 | 濱野谷憲吾 | 112,444,928 |
4 | 3779 | 原田幸哉 | 110,535,266 |
5 | 4444 | 桐生順平 | 101,204,666 |
6 | 3897 | 白井英治 | 95,956,000 |
ですが、ここ7年は獲得賞金1~3位の選手がグランプリも優勝しており、グランプリのトライアル2ndからの出場となる選手が有利と言えそうです。
とはいえ、チャレンジカップで優勝した辻栄蔵選手は11月末時点で獲得賞金89,224,166円の8位にジャンプアップしましたが、昨年は上位100位にも入っていませんでした(もともとSG制覇経験のある強い選手ではありますが)。今年はマスターズクラス(マスターズチャンピオンに出場できる45歳以上)の選手の活躍が目覚ましいと言われており、もしかしたらグランプリでの大逆転劇もあるかもしれません。
グランプリ/グランプリシリーズは今年も住之江で12/14~19で開催予定です。