5月ですね。4月30日までで2025年後期のボートレーサー等級審査が終了し、7月からの等級が決定しました。
131期の石本裕武選手がついにA1級に昇格しますね。
約1カ月前の状況からあまり大きな変化や驚きの結果はなかったのかなぁと思うので今日はA級のボーダーになった勝率について考えてみます。
1カ月前の予想はこちら。
A1ボーダー上昇、A2ボーダーはほぼ横ばい
今回のA級のボーダーは
A1:6.26
A2:5.47
でした。
前回の25年前期のボーダーはA1:6.19、A2:5.46だったのでA1級は結構大きく上がっていますね。前回はちょっと低かったとは思ったのですが、それでもA1級のボーダーは6.20~6.23くらいが多い気がします。
5161 登玉隼百選手は勝率6.25で、昨期だったら初A1になれていたかもしれないのに…と思うと非常に悔しいのではないでしょうか。
A1級は90走以上の出走数があり、事故率が0.7未満の選手で、勝率上位から順に320名(同点がいる場合があるので実際には若干320人より多いです)と決まっています。
今回A1級のボーダーが上がったということは、A1級になれるような強い選手が増え、強くない選手と強い選手の二極化が進んでいるのではないかと考えました。
そこで、今回の審査期間だった25年後期と1期前の25年前期の全選手の勝率の分布を比較してみました。
ヒストグラムで比べてみる
まずは勝率の分布をヒストグラム(度数分布)で見てみます。来期の勝率だと高い勝率の方に偏りが出てるのではないでしょうか。
今回の2025年後期の勝率と2025年前期の勝率の分布です。


うーーーん、違うと言えば違う気もするけれどどちらもはっきりとは差があると言えなそう。
星の王子さまのうわばみの絵を彷彿とさせる形ですね。

箱ひげ図で比べてみる
ヒストグラムではよくわからなかったので、箱ひげ図で比較してみることにしました。
箱ひげ図はデータがいっぱいある範囲の塊と、中央値、外れ値なんかが視覚的にわかるよいグラフですね。
箱:データの50%が含まれている範囲
×:平均値
箱の中の横線:中央値
箱の上に出ているラインの上限:データの最大値
箱の下に出ているラインの下限:データの最小値
ラインの外に突出してる点:外れ値

あれ?こちらもほとんど差がないように見えますね。A1ボーダーが上がったということは箱ひげ図の箱が上に上がるか、箱自体が縦に伸びるかと思ってたのですが、中央値も平均値も箱の大きさ、位置もほとんど同じでは?
数値で比較してみる
グラフで可視化したら2025年後期と前期の差がはっきりするかと思ったらそんなことなかったので、もうはっきりと数値で比較してみます。
項目 | 25後期勝率 | 25前期勝率 |
平均 | 5.07 | 5.08 |
中央値 | 5.14 | 5.13 |
最頻値 | 5.49 | 5.77 |
標準偏差 | 1.34 | 1.32 |
分散 | 1.80 | 1.75 |
最小 | 0.33 | 1.02 |
最大 | 8.88 | 8.70 |
データの個数 | 1583 | 1561 |
なんと、勝率が0以外の全選手の勝率で比較したところ、平均値も中央値も最頻値も最新の等級審査よりも前回の25年前期の方が高いですね。数値だけ見ると前回のほうが全体的に見ると少し高いような…。
A1級だけで比較してみる
特にボーダーが上がったのはA1級なのでA1級のボートレーサーの勝率だけで比較したら25年後期の方が全体的に上に上がっているのでは?と考えA1のレーサーだけの勝率でもグラフ化、数値化してみました。

項目 | 25後期 | 25前期 |
平均 | 6.74 | 6.76 |
中央値 | 6.65 | 6.70 |
最頻値 | 6.42 | 6.36 |
標準偏差 | 0.40 | 0.41 |
分散 | 0.16 | 0.17 |
範囲 | 2.62 | 2.51 |
最小 | 6.26 | 6.19 |
最大 | 8.88 | 8.70 |
データの個数 | 327 | 324 |
こちらも平均値、中央値は前期の方が高いですね。
しいて言うなら後期のほうが分散が小さいので同じエリアにギュッとまとまっているというか…
今回のボーダー上昇は恒常的なものではないなのかもしれない
前回の6.19→6.26とA1級のボーダー勝率が0.7も上昇したことにより、ボートレーサーの勝率の二極化や全体的な勝率上昇の傾向があるのではないかと調べてみましたが、前回と比較して明確に「全体が上がった」というような結果はありませんでした。
よくよく考えてみると出走数にもよりますが期間勝率は1走の結果でも大きく変わります。
例えば現在100走で勝率6.20の選手がさらに1走し、1着を獲れば勝率は6.23まで上がりますが、6着だと6.14まで下がります。1走でも0.9勝率の差が生まれる可能性があるということは今回ボーダーの6.19が6.26に上がったというのも特別にすごい上昇ではないのかもしれません。
統計的に何か言えないかなと思ってグラフ化したり、基本統計量を比較したりしてみましたが、結果として「特に言えることがない」ということでした。
疑問に思ったことを数値にしてみてみるのは楽しいのでこれに懲りず、今後も続けていきたいと思います。